空のような心に
雨音だけが流れていた
埋め込んだはずの温度は
硝子のネオンに滲んでいく
あてもなく歩いたレンガ通りに
雨に染まった言葉が落ちている
記憶に隠れた返事ほど
小さなノイズで光ってしまう
雫と通知の明かりが
指先の渦に冷たく残って
笑えない月明かりの真ん中で
傘だけが道端に置かれていた
影と見上げた空には
七色の粒が浮かんでいる
霧をまとった視界が
古いフィルムの中で揺れて
刻まれた振動の奥で
胸の空白が静かに響いていた
最後に掴んだ小さな光は
靴紐に宿っている
錆びついたシャッターの絵も
雨にぼやけて形を失くした
陽が落ちた記憶ほど
月の底で影が音になる
グレーな朝のレンガ通りに
あてのない足跡が続いていた
雨に埋もれた服のまま
濡れた髪が頬に落ちる
止みそうな空の境界線に
生まれたての雨が降り出して
光を追う音だけが
濡れた街を優しく照らしている
開かない傘のそばで
水滴へ落ちた心が揺れていた
星屑の雨に沈む街で
地面に溶けた光が踊っている



















































































