大人になると
守りたいものが増えれば増えるほど
人は平気なふりをするのが上手くなっていく
胸の奥に引っかかるものがあっても、
忙しさや役割の中にしまい込んで
「あとで」「そのうち」って、
自分の気持ちを後回しにしてしまう
身体の奥の“涙の箱”
触れた瞬間に、
「ずっと我慢してきたんだな」
そう伝わってくることがある。
無理に開けようとしなくていい。
無理に泣かなくてもいい。
ただ、安心できる場所に身を置いて、
呼吸を重ねているうちに、
箱は勝手に少しずつ緩んでいく
声を出すでもなく
肩を震わせるでもなく
ただ、ぽろっと
「やっと戻ってこれた」
そんな安堵に近いもの
それはちゃんと生きてきた証みたいなもの
溜め込んできた想い
言えなかった言葉
誰にも見せなかった不安
それらが
静かに外に出ていく
今日もまた、
誰かの涙の箱が
ほんの少しだけ軽くなったらいいな
泣いてもいい
泣かなくてもいい
あなたの中の箱は
ちゃんとあなたの味方だから
だいじょうぶ































































































