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写メ日記

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滝の投稿

持っておきたくなるもの

09/13 09:26 更新

使わないとわかっていても、持っていないと不安なものがある。傘とか、充電器とか、読まない本とか。

備えというより、たぶんお守りに近い。これがあれば困らないという気持ちのほうが本体で、実際に使うかどうかは二の次になっている。

僕にもある。施術に使うオイルを、必要な量の倍くらい置いている。切れたことは一度もない。それでも減ってくると落ち着かなくて、早めに買い足してしまう。

無駄といえば無駄なのだけれど、それで安心して仕事ができるなら、安いコストだとも思う。

ただ、鞄の場合はそれを毎日肩で運ぶことになる。安心の代金を、肩が払っている。そのことだけは、たまに思い出したほうがいいのかもしれない。

姿勢が先か、気分が先か

09/12 10:40 更新

寒いと縮こまるように、気分が落ちているときも人は同じ形になる。背中が丸くなって、うつむいて、呼吸が浅くなる。

面白いのは、これが逆にも効くことだ。落ち込んでいるから丸くなるだけでなく、丸くなっていると気分も落ちる。どちらが先とは言い切れない。

だから、気分をどうにかしようとして行き詰まったときは、体のほうから入るのも手だと思っている。胸を開くとか、歩く速度を少し上げるとか。気分を直接どうこうするより、たぶん簡単だ。

もちろんそれで全部が解決するわけではない。姿勢を良くしても、困っていることは困ったままだ。

ただ、同じ困りごとを、丸まって考えるのと、まっすぐ座って考えるのとでは、見え方が少し違う気がする。その差ぶんくらいは、体にできることがある。

期間がわかること

09/11 08:07 更新

しんどさそのものより、いつ終わるかわからないことのほうがきつい、というのはよくある。

三日で治るとわかっていれば、三日ぶんの我慢で済む。でも期限が見えないと、これが一生続くのではないかという方向に想像が伸びていく。実際にはそんなことはほとんどないのに、頭は勝手に最悪のほうを見る。

だから、だいたいの見通しを言うのは大事だと思っている。正確でなくてもいい。三日から一週間くらい、という幅のある言い方でも、何も言わないよりずっといい。

これは体にかぎった話でもなくて、忙しさとか、うまくいかない時期とか、そういうものも同じだと思う。あと二週間で終わる、とわかっていれば耐えられることが、期限なしだと急に無理になる。

自分で自分に、だいたいこのくらい、と言ってあげられるといい。当たらなくてもいい。

目印で覚えること

09/10 09:31 更新

自分がどうやって道を覚えているかを、あまり考えたことがなかった。僕はたぶん目印派だ。地図の形として覚えてはいない。

そして目印は、けっこう頻繁になくなる。店が閉まったり、工事で囲われたり、看板が変わったり。そのたびに、自分の頼りにしていたものが仮のものだったと気づく。

生活の中の目印も、似たようなものだと思う。この人がいるからここに通っている、この習慣があるから一週間の形が保てている。そういうものが、ある日なくなることがある。

なくなってから初めて、それがどれだけ支えになっていたかがわかる。事前には数えられない。

とはいえ、じゃあ目印に頼るのをやめようという話でもない。頼るから道が歩けるのであって、なくなったらまた別のものを覚え直すしかない。それを何度かやりながら、みんな暮らしている。

冷えの話

09/09 08:48 更新

冷え性の人と、そうでない人のあいだには、かなり深い溝があると思う。僕はどちらかというと暑がりなので、正直なところ、実感としてはわからない。

わからないなりに触ってみると、明らかに温度が違う。同じ部屋にいて、同じ気温を過ごしているのに、体の中で起きていることが違う。それを想像だけで理解するのは無理だ。

こういうとき、僕は説明を求めないようにしている。どのくらい寒いんですかと聞いても、答えようがない。寒いものは寒い。

代わりに、こちらの前提を疑うほうがいいと思っている。自分が快適な室温は、相手にとってそうではないかもしれない。それだけ覚えておけば、だいたいのことは間に合う。

エアコンの温度を一度上げるくらいのことで済むなら、安いものだ。

選曲のこと

09/08 09:54 更新

人のために音楽を選ぶのは、思っているより難しい。自分が好きな曲をかけると、たいてい主張が強すぎる。かといって無難なものを選ぶと、今度は何も残らない。

施術中の音楽は、聞かせるためのものではなくて、静けさが気まずくならないためのものだと思っている。無音だと、自分の呼吸の音まで気になってしまう人がいる。だから、あるかないかわからないくらいの音がよい。人によっては無音にして身体の音を聞いてもらう方が良い場合もある。

教えてもらう側になること

09/07 08:27 更新

普段は、こちらが何かを伝える立場でいることが多い。姿勢のこととか、体の使い方とか。だから、教えてもらう側になる瞬間がわりと嬉しい。

同じ街に何年もいても、知らない場所はいくらでもある。毎日同じ道を通っていると、視野が固定されて、一本裏の通りに入らなくなる。それは効率がいいということでもあるけれど、そのぶん取りこぼしている。

人から聞いた情報が面白いのは、自分の検索範囲の外にあるからだと思う。自分で調べると、どうしても自分が好みそうなものにたどりつく。他人の口から出てくるものには、その偏りがない。

だから、おすすめありますかと聞くのは、案外いい習慣だと思っている。

二回目のこと

09/06 07:24 更新

初めて会う人に、何かを預けるのは難しい。相手がどういう人かわからないうちは、体も心も少し身構える。それは当然のことで、警戒しない人のほうが心配になる。

信頼は、一回では作れない。同じ人がまた同じようにそこにいた、という事実の積み重ねでしかできていかないのだと思う。

だから僕は、初回に何かを伝えようとしすぎないようにしている。理解してもらおうとか、良さをわかってもらおうとか、そういう気持ちが出ると、たいてい空回りする。

ただ、いつもと同じようにやる。それを何回か繰り返す。そのうち、警戒しなくていい相手として認識される。時間はかかるけれど、それ以外の方法を僕は知らない。

たぶん人付き合い全般が、そういうものなんだと思う。特別なことをした回より、変わらずにいた回のほうが信頼が深まる。

眠れる相手、眠れる場所

09/05 08:57 更新

人前で眠るというのは、けっこうな信頼がいる。無防備になるということだから、安全だと感じていないとできない。

だから、施術中に眠ってしまう人を見ると、少し嬉しい。技術を褒められるより、そっちのほうが手応えがある気がする。

同時に、そのくらい眠りが足りていなかったのだとも思う。家では眠れないけれど、ここでは眠れるという人がときどきいる。家は安心できる場所のはずなのに、やることが多すぎて、気が抜けないのだと思う。

眠りは、意志では作れない。頑張って眠ろうとすると余計に眠れない。条件が整ったときに、勝手に落ちてくるものだ。

だから僕にできるのは、眠らせることじゃなくて、眠ってもいい条件を用意することだけになる。暗さと、温度と、余計なことを聞かない態度。それくらいのものだけれど、案外それで足りることもある。

回復してから来るということ

09/04 09:06 更新

一番しんどいときに助けを求められる人は、そんなに多くないと思う。しんどさが極まると、動くこと自体が難しくなる。誰かに連絡するのも、予約を取るのも、家を出るのも、全部が遠い。

だから、少しよくなってきてから人に会いに行くというのは、順番として自然なことだ。それを、もっと早く言ってくれればよかったのに、と責める必要はない。言えるようになったこと自体が、回復の一部だから。

僕は、渦中の人を助けられるとは思っていない。そこにいる人には、たぶん医療や、もっと近い誰かが必要だ。僕が会えるのは、少し戻ってきた人か、まだ落ちきっていない人だと思う。

それでも、また来ますねと言ってもらえる場所が世の中にいくつかあることは、意味があると思っている。今日じゃなくてもいい。半年後でもいい。

戻ってくる場所として、静かに開いておくことくらいはできる。

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