バス停から旅立つ影が
雨の街灯に滲んでいた
落とし物はないよねと
冷たい風が背中を押す
一人の部屋でも
振り返る場所があって
針を止めた時間が
壁際の白に溶けていく
コインを握った手の中で
無音の音楽が鳴っていた
円盤が浮かぶフロアに
宝石の宙が広がる
通り過ぎたレンガの街角に
名前のない風船が飛んでいる
熱く寒がりな吐息が
透明な夜へほどけて
擦り切れた帽子の端に
願いの雫がしみ込んでいる
浅い眠りに沈む部屋で
思い出の欠片が落ちていく
駅前の街灯に
すれ違う光が揺れて
出発の夜に
笑い声が風に乗って転がる
見栄を張った夜も
痛すぎて笑える朝も
繰り返し通った街の隙間で
青く優しく光っている
道端のスポットライトに
靴音が照らされて
屋根裏に忘れた本が
海の底で羽を開く
ふらふらと飛ぶ蝶が
帰れない時間を描いている
























































































































































































































