混じり合わないまま
それでも続いていく日々のなかで、
君は、ずっと “平気なふり” をしてたんだね。
笑う横顔に、
声にならない寂しさが
うっすら滲んでいて
誰かに気づかれるより
気づかれないことを選んでた。
言葉にならないものを
抱えて生きてる君に、
僕は言葉で触れようなんて思わなかった。
ただ、そばにいて
体温で届くものだけでいいと思った。
「今日は、何もなくていい」
そう言った君の静けさに、
僕の心の奥が、静かにゆるんでいった。
やわらかい痛みと、
ひそやかな甘さが混ざって
感覚だけが残って、
意識がやわらかく溶けていく。
快楽が欲しいんじゃなくて
“無音になれる場所”を
ずっと探していたんだよね。
声にしなくていい。
我慢もしなくていい。
そのまま、
静かに沈んでいける夜があるなら――
君を、そこへ連れていきたいと思った。
願いが、花が散るように
何の音もなく溢れていくのなら
僕はただ、
それを受け止められる人でいたい。
今日は、何も言わなくていい。
触れたぬくもりが、
君を包みますように。
